TSTも取材しました

今年リアルタイムゲーミング(RTG)のRNG (Random Number Generator = 乱数発生プログラム)の試験をして合格証を発行したのがTechnical Systems Testing (TST)という機関です。
このTSTは、アメリカランドカジノのスロットで最大手のIGT (International Game Technology)の機械の検定をしていることで知られている組織で、今年はRTGだけでなくいくつものオンラインカジノソフトの検定をするだろうといわれています。
おなじみインペリアルカジノのグランドバーチャルもTSTの試験を受けるということを聞いて興味があったので、GIGSEに出ていたTSTのブースに行ってみました。
「ビジネスはどうですか?」といきなりおかしな質問をしたのですが、「very good」とシンプルな答えが返ってきました。それで終わってはただのバカなので、ちょっとつっこんだ質問をしてみました。
「RNGのテストといいますが、RNGがちゃんとしていても、そのRNGから各ゲームの結果が生成される過程でTSTが知らないところでデータがおかしな方法で変更されていたら、そのことを知ることはできるのですか?」
すると答えはこうでした。「基本的にはRNGの検定ならRNGしか見ないが、クライアントの依頼によってはゲームに関するすべてのソースファイルをチェックし、その過程で変なことがされていないかすべてチェックする。だから、変なことはできない。ただ、それはチェックしたファイルのバージョンにだけOKを出せるという話であって、検定をうけた後でソフトウェア会社が勝手に別バージョンのファイルを使い出せば何でもできてしまう。良心的なメーカーであればファイルのバージョンを変えるたびに検定を受けに来るが、全部がそうではない。」
というわけで、TSTの認定といっても、盲目的に信じるのではなく、何に対するどんな検査が行われ、どんな認定がされているのかということはきちんと見る必要がありそうです。
次に「検定を受けるRNGはだいたい合格するのですか?」と聞いてみました。
答えは驚くべきものでした。
「60%以上が最初は不合格です。」
だそうです。乱数生成というのはとても奥が深いものなんですよ、と言ってニヤリとしていました。
ただ、一度は不合格になったものも何度か変更するうちに合格になるそうで、やはりTSTのRNG検定というのは公正な結果を保証する意味では大切なものなのだなということが分かりました。