アメリカのオンラインギャンブル禁止法(UIGEA、Unlawful Internet Gambling Enforcement Act)の周辺で、いろいろな動きが一気に起こっています。
毎年カナダで開かれるオンラインカジノの展示会・会議のGIGSEのときは、いつも大きなニュースがあるというジンクスがあります。
ちょうど今回もGIGSE 2007が3日間に渡って開かれていたので、「またか」という感じです。
- カジノオンネット等がアメリカ司法当局と和解へ?
カジノオンネットの888 Holdingsや、パーティーポーカーのPartyGamingが、アメリカの検察当局と話を始めたというニュースがありました。
関係者の話だと、アメリカ人プレイヤーからの賭けを受け付けたことに関して刑事訴追を免れるかわりに罰金を支払うという方向に行くのではないかということです。
以前ペイパル(PayPal)がオンラインギャンブルから撤退した際も、同じようにPayPalは和解金(罰金)を支払いました。
その結果、罪に問われることはありませんでした。
この和解の過程でアメリカ人プレイヤーの個人情報が検察当局や税務当局に渡るのでは?と心配している人もいるようです。 - 規制と課税を可能にする法案登場
アメリカのJim McDermottという議員が、Internet Gambling Regulation and Tax Enforcement Act (IGRTEA)という法案を提出しました。
これは、IGREA(The Internet Gambling Regulation and Enforcement Act of 2007、インターネットギャンブル規制強化法)という4月に提出された法案と同じ流れにあるもので、ライセンスを受けたオンラインギャンブル運営者による納税に関して定めるものです。
(関連記事 希望の光?アメリカで方向転換へ動き)
これらの動きについて、The Safe and Secure Internet Gambling Initiative(SSIGI)という任意団体が支持を明らかにしています。 - ポーカー等を除外する法案も
The Skill Game Protection Act(SGPA)という法案も、Robert Wexler議員によってアメリカの議会で提出されました。
このSGPAは、UIGEAの禁止対象からポーカー、麻雀、チェス、ブリッジ、バックギャモンといったスキルを要するゲームを外そうというものです。
これはポーカープレイヤーに大歓迎されそうです。 - iMEGAが登場&裁判開始
Interactive Media and Gaming Association(iMEGA)という新団体が登場し、アメリカ司法当局を訴えました。
訴えの内容は、禁止法(UIGEA)は憲法上の国民の権利を侵害しているから無効だというものです。
この団体の背景などは分かっていないようですが、果たしてどうなるでしょうか。
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大統領署名で禁止法案が成立 (2006年10月14日)
追記 (6月12日)
日本のメディアでも関連ニュースがありました。
米国でネット賭博の合法化に向けた動きが浮上 (CNET Japan)