イギリスでの話ですが、こんな裁判で勝った前例ができたら、類似の裁判がどんどん起こされそうです。
賭博中毒の英男性、4億円の損失めぐりブックメーカーを提訴
「負けた4億5千万円返せ」=賭博依存症の男が提訴へ-英
【ロンドン14日時事】ギャンブル依存症の男性が、英国の大手ブックメーカー(公認賭け屋)ウィリアムヒルを相手取り、「注意義務を怠った」として、賭けで負けた210万ポンド(約4億5000万円)の返還を求める訴訟を英高等法院に起こすことが14日、明らかになった。英メディアが一斉に報じた。
それによると、この男性は猟犬調教師のグレアム・カルバート氏(28)。2006年5月にウィリアムヒルに口座を開設した時点で、自らがギャンブル依存症であると認識し、同社に自分の賭けを受け付けないよう要請して口座を閉鎖した。ところが数カ月後に再び口座を開くことができ、借金などをして賭けた210万ポンドを失ったという。
同氏は「スリルを味わうためにやった。ギャンブルは麻薬のようなものだ」とし、依存症者の依頼を拒否すべきだったと主張。一方、ウィリアムヒル広報は「裁判で徹底的に戦う」とコメントした。弁護士らは、ギャンブル業界の社会的責任を問う裁判になるとしている。
英国の新聞サイトなどを見ると、この人はスポーツブックで一度に数百万円から数千万円の賭けを行うことで知られていたそうで、以前はライダーカップでアメリカの勝利に35万ポンドを賭けて見事に負けたことで新聞記事にもなっていたようです。
Self Exclusion(自己除外 = もっと賭けることのないように自ら口座閉鎖を申し出ること)の手続きをしたというのですが、別人名義か何かで別のアカウントを開いて賭け続けていたということです。
別人でも別住所でもきちんとチェックすれば自分が賭けるのを防げたはずだという屁理屈ですが、どうなるのでしょうか。勝っていれば訴えることもなかったはずで、自分勝手と言うしかありません。
ただ、このようなケースが出てくることで、各ブックメーカーやカジノは依存症対策にもっと力を入れることになるのではないかと思います。
追記(3月13日)
この裁判で、ウィリアムヒル側が勝訴しました。しかも、負けた調教師側は、訴訟費用数十万ポンドをウィリアムヒル側に支払うハメになったということです。
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