日本でのカジノ立法(カジノ合法化)についての記事が二つありました。
動き出すカジノ法案 26日から与野党協議
日本でカジノを合法化するための「カジノ法案」の成立に向けて、与野党が動き出した。自民党はすでにカジノ法案の基本方針をまとめて公明党に提示、公明党も党内での検討を始めた。26日には自民党が民主党に基本方針を説明し、協議に入る。自民、民主両党は今後、協議を重ね、来年の通常国会にも議員立法で提出、成立を図りたい考えだ。
自民党の政務調査会観光特別委員会カジノ・エンターテインメント検討小委員会(岩屋毅委員長)がまとめた「カジノ導入に向けた基本方針」は、カジノが賭博を禁じる刑法に抵触しないよう、新規立法することを明記。その仕組みは、地方公共団体かその一部事務組合が施工主体となり、その申請を主務大臣(国土交通相など)が許諾する。施行主体はカジノの建設、維持管理、運営などの実務を、公募で選んだ民間事業者に委託する。
また、国は主務大臣の下に独立行政法人「カジノ管理機構」を設立し、合議制の機関である「カジノ管理委員会」を設置。カジノの施行は地方公共団体に任せ、エンターテインメント性を保持するため、実質的な運営・管理は民間事業者に任せるものの、国が厳格に管理する仕組みをとるねらいだ。
収益は地方公共団体に帰属させ、使途も自主的判断に任せるが、国の機関は施行主体から収益の一定率を徴収する。
観光客誘致の起爆剤に カジノ法案
カジノ合法化を推進する自民、民主両党の議員は、日本の取り組みが遅れれば観光客を他の近隣アジア諸国に奪われる危機感を共有している。中国、韓国、台湾の富裕層の日本観光は増加傾向にあり、これを維持・拡大し、収益を上げる上でカジノは欠かせないという判断だ。
以前から超党派で検討されてきた「カジノ法案」は、平成17年の「郵政政局」をはさんで休眠状態に陥っていたが、ここにきて再燃した背景には、そうした観光をめぐる競争激化がある。
問題は、かねて指摘されてきた青少年に悪影響を及ぼさないことや、不正行為の防止、反社会勢力の介入阻止といった面をきちんと担保できるかどうかだ。自民党の基本方針も、組織暴力対策やマネーロンダリング対策の重要性を指摘する。
ということで、具体化に向けて与野党が共同で動き出すようですが、運営が民間になることで地方競馬の二の舞になることが避けられそうな半面、相変わらずオンラインカジノについての議論が欠落しています。
以前から書いていますが、オンラインカジノやポーカーなどのオンラインギャンブルについては、無視して通り過ぎることはできません。アメリカを見ても分かるように、「禁止法を作ったから済んだ」とはなりません。
アメリカのプレイヤーは相変わらずオンラインカジノやポーカーで遊び続けていますが、まともな企業が経営するカジノがアメリカから撤退したので、変なRTGカジノ等の怪しげなところが跳梁跋扈している状態です。
国境を簡単に越えられるネットの世界では、禁止は事実上無理です。そして、禁酒法と同じようにアングラ勢力を肥らせるだけです。きっちりと管理して、民営オンラインカジノも許可制にすればいいだけの話です。オンラインのほうが年齢制限も適用しやすいですし、プレイヤーの保護に役立ちます。
さらに、日本の技術とサービスの質をもってすれば、ランドカジノでは出遅れた日本がオンラインカジノの分野で世界をリードすることも夢ではありません。
特に携帯の活用では現在世界一ですから、これをオンラインギャンブルで生かしていけば日本の優位は明らかでしょう。
ただ、上の記事を読むとカジノは国交省の管轄になりそうな感じで、そうなるとオンライン云々と言い出すと、ネットを管理している総務省と縄張り争いになります。その文脈で言うと、「オンラインは禁止」の一言で済まされそうな雰囲気も濃厚です。
どうなるでしょうか。議員さんたちもお年を召した方が多いのでオンラインなどというと理解できないのかもしれませんが、日本の国力衰退に危機感を持ってがんばっている改革派の若手議員に期待したいところです。
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