ベッティングシステム

理論のイメージ

オンラインカジノの攻略には、二つの攻め方があります。

一つはゲームごとの勝率を上げる方法です。これは、ブラックジャックポーカーの最適戦略(オプティマムストラテジー)を追究したり、出るスロット台を選んだりすることにより、ゲームで勝つ確率を高めるものです。

もう一つは、一定の方法に従って賭ける金額やタイミングを調整することで儲けを追求するものです。ベッティングシステムと呼ばれます。

ただし、ベッティングシステムにも限界があります。

たとえば、無限の資金をもっている人がベット上限のないゲームでマーチンゲール戦法を使用すれば勝ち続けられます。ですが、残念ながらどのオンラインカジノにもランドカジノにもベット額に上限があります。

そして、言うまでもなく無限の資金を持っているプレイヤーなどいません。そういう意味では、ベッティングシステムに従うにしても、自分の予算をきめておくなど、別の基準を設定しておくことは大切です。

また、どんなベッティングシステムでも、一度はうまくいっても最終的にはハウスエッジ(控除率)には勝てませんので、変な幻想は禁物です。


それでは、ベッティングシステムのいろいろを紹介したいと思います。ここで紹介する内容は、ほとんどが、ニュースレターで連載を執筆していただいていた卓見さん(「打破カジノ」主宰)の教えに依拠したもののです。

ベッティングシステムは、二種類に分類することができます。マーチンゲール系パーレー系です。

マーチンゲール系は、負けた場合に次のゲームの賭け金を上げることによって賭けた金を取り戻す戦法です。

パーレー系は、負けを取り戻すのではなく、連勝したときに勝ちを大幅に増やす戦法です。基本的に勝った場合に次のゲームの賭け金を増やします。この戦法であれば、途中で負けても失うものは少ないです。

これらの方法は、結局のところずっと続けた場合、カジノの控除率(ハウスエッジ)を克服することは不可能です。短期的にみれば相当な効果が上がることもあります。が、永久に勝ち続けるベッティングシステムは存在しません。

自分のツキを冷静に見極めて、システマチックに賭けることができる方には最適の戦法が見つかるかもしれません。

私自身は途中までシステムで賭けていても、結局途中でいつも感情的になってしまい、なかなかシステム通りに賭け続けることができませんが、向いていると思われる方は、利用してみてください。

マーチンゲール系

ここで紹介する方式は、すべてルーレットの赤黒のような、オッズが2倍のゲームに適用されるものです。応用すればそれ以外にも適用可能です。

  • マーチンゲール戦法

    これは、負けたら賭け金を2倍にしていく方法です。例えば5回連続で負けて6回目で勝った場合は賭け金は順に1、2、4、8、16、32となり合計賭け金は1+2+4+8+16+32で63になります。6回目で勝って64を手にするので、結局1だけ儲けることになります。ですので最終的には絶対に損をしません。

    ただ、この方法の最大の欠点は、カジノで設定されているMax Bet (賭けの上限額)に達したら、それ以上倍賭けができないということです。Min
    Bet (最低賭け金)が1でMax Betが300の場合、1、2、4、8、16、32、64、128、256で、9連敗したら後がありません。

    9連敗なんて絶対にしないと思いますか?そういう自信がある人はどんどんやってみてください。でも、確率的に起こりえることは本当に起こります。マーチンゲール戦法は、リスクが高い割に、期待できる見返りが少ない、やってはいけない方法の代表格です。

  • グランマーチンゲール戦法

    これはマーチンゲール法よりも大きな利益を狙う方法です。負けたときに、賭け金を倍にするだけではなく、それに更に最初の賭け金をプラスした金額を賭けます。

    たとえば、1から賭けはじめて連敗した場合、通常のマーチンゲール法ですと1、2、4、8、16・・となりますが、グラン・マーチンゲール法の場合、1、3、7、15、31となります。

    これだと、1度勝てば儲けは1だけではなく、全部のゲームで1を賭けて全部勝っただけの利益を手にできます。ただ、リスクは更に増大するので、おすすめできません。

  • ダランベール戦法

    これも簡単な方法です。1で賭け始め、負けた時は1増やし、勝った場合は1減らすという方法です。リスクが大きい割りには儲けはあまりない方法です。

  • モンテカルロ戦法

    これはキャンセレーションシステム(逆ラブシェール戦法)と呼ばれる方法の一種です。モンテカルロ戦法は、紙とペンが必要です。でも難しくはありません。

    (1) まず「1 2 3」という数列を書きます。
    (2) 数列の左端の数字(=1)と右端の数字(=3)を足した数(=4)を賭けます。
    (3)負けたら、今賭けた数字(=4)を数列の右端に加えます
    (「1 2 3 4」です)。そして上の(2)に戻ります。
    (4) 勝ったら、倍率2倍のゲームの場合は左端の数字(=1)と右端の数字(=3)に棒を引いて消します。倍率3倍のゲームでは左端の数字二つと右端の数字二つを数列から消します。
    (5)数列にある数字が無くなったら終了です。
    (6)続けたい場合は、(1)に戻ります。

    問題点は、十分な持ち金がないと、資金が途中でなくなる場合があることです。それに、連敗していくと、ベット額がテーブルのMax
    Bet (最大ベット額)を超えることがあることです。

  • 2 in 1戦法

    これもキャンセレーションシステムのひとつで、2回の負けを1回で取り戻す方法です。方法は簡単です。負けた金額を書いて、その左端と右端の数字の合計金額を賭けていきます。

    たとえば、1を賭けて負けた場合は「1」と書きます。次はこの書いてある数字(1)を賭けます。これで負けたら、右側に1を書き足して、「1 1」となります。その次は左端と右端の合計の2を賭けます。

    これを繰り返して四連敗すると、「1 1 2 3」となります。その次の賭け金は4で、それに勝ちますと、左端と右端の数字を消して数列は「1 2」になるので、次は1と2の合計の3を賭けます。それに勝つと、どうなりますでしょうか。

    結果的に2勝4敗であるにもかかわらず、合計収支はプラスマイナスゼロです。

パーレー系

マーチンゲール系の欠点は、結果的にすべてを失う可能性があることです。それに対して、パーレー系は、勝った時に賭け金を増やしていくので、リスクは比較的小さく、ツキを活かして大きく儲けられる可能性があるシステムです。

  • パーレー戦法

    これはけっこう過激な方法です。勝ったら次の賭け金を倍にしていく方法です。賭けを1から始めて8連勝すると、255の儲けになります。もし8連敗しても8の負けです。リスクは小さいです。何連勝で止めるかが考えどころですが、これはいろいろ試してみてください。この方法の問題点は、勝ちと負けが交互に繰り返されるような展開に弱いことです。

  • グランパーレー戦法

    先程のグランマーチンゲール法と似たような方法ですが、こちらは、勝った場合に賭け金を2倍にしていくかわりに、2倍+1とします。1、3、7、15、31となります。3連勝した時に止めるグランパーレーオブスリーという方法が一般的だということです。

  • グッドマン戦法

    このシステムは1235法とも呼ばれます。勝ち続けたときに、賭け金を1、2、3、5、5、5、5・・・とします。勝ち続けた場合5を賭け続けます。この方法だと、大きな利益は見込めませんが、儲かる確率は上がります。4連勝すれば、5回目に負けてもトータルではプラスになり、その後は5の利益が積み重なります。

  • バーネット戦法

    これは、1326法とも言われます。上のグッドマン法の1235のかわりに、勝ち続けた時に1、3、2、6と賭ける方法です。2連勝だけすれば、その後はどこで負けてもトータルで利益がでます。この方法では、4連勝のあとは賭け金を1に戻します。

  • ラブシェール戦法

    まず、任意の数字を4つから10個書きます。ここでは、8個とします。たとえば「1
    1 1 3 3 3 4 4」とします。この数字の合計は、1+1+1+3+3+3+4+4で、20になっています。

    この方法の場合、自分が最終的に失ってもよい金額がこの合計数と同じになるように設定します。

    最初は左端の数字と右端の数字の合計を賭けます。つまり、1+4で5を賭けます。もし勝ったら、今賭けた金額を右端に書き足します。「1
    1 1 3 3 3 4 4 5」となります。

    もし負けたら、先程の左端と右端を消します。「1
    1 3 3 3 4」となります。

    いずれの場合も、次のゲームでは同じように左端と右端の数字を足した分だけ賭けます。上の例でいうと、勝った場合は1+5で6、負けた場合は1+4で5になります。このようにして続けていく方法です。

    勝ちの波にのれば、どんどん賭ける金額が上がって大きな儲けが狙えます。逆に、あまりツキがないときは数字が全部消えてしまいますが、もともと負けてもいい金額を決めているのでそれ以上は負けません。自分で数字の並べ方をいろいろ工夫してみてください。

テンパーセント戦法

これは単純ながら結構使える方法です。名前の通り持ち金の10分の1(つまり10%)を賭け続けるだけです。しかしこれがかなり有効です。

たとえば、ルーレットの赤黒で言うと、$100の手持ちであれば、$10を賭けて、勝てば手持ちは$110に増えます。そうしたら次は$11を賭けるといった具合です。もし負けて$90になれば、次は$9を賭けます。

この方法のいいところは、ツイている時はどんどん増える半面、ツイていない時は減り方が緩やかになるという点です。

これを続けた場合どうなるか、以前ニュースレター(No. 54)で検証結果を発表しましたが、$1,000でスタートして100回繰り返した場合の最終手持ち金額の最高額はなんと$18,375でした。

もちろん100回シミュレーションした中には、持ち金が$1,000から$81に減ってしまったケースもありましたが、ツキを十分に活かせるシステムであることは確かです。

ハーフストップ方式

勝ちを確実に手元に残すために有効なのが、このハーフストップ方式です。

まず、元手をいくらにするか決めます。$100を元手にしたとします。そして、賭けを始めます。

適当に残高が増えたら普通はやめますが、ハーフストップ方式では止めずに、もっと続けます。

例えば、$500になったとしても止めません。続けます。そして、その後利益が減り残高が$300になった場合、つまり、利益が最大時($400)の半分($200)になった時点で止めます。

そうすれば、最大時の利益額の半分は、必ず確保できることになります。

なお、最初から負け続きで$100が$50になってしまった場合も、そこで止めたほうがいいようです。

これを実行するには相当な意志が必要ですが、実行できれば非常に効果があります。

私はこれの応用でハーフではなく20%ストップ方式を使っています。最大時のから2割減った段階で止めるということです。これも、意志が要求されますが、堅実な手法です。


最後に、カジノ界の偉才Wizard of Oddsの、ベッティングシステムに関する見解と検証結果のページを参考までにご案内します。英語ですが、非常に面白いです。
https://wizardofodds.com/gambling/betting-systems/