日本のパチンコ・パチスロは換金禁止になるのか？ | オンラインカジノファン

ほんの数日前、菅官房長官が発したひと言をきっかけに、「パチンコ・パチスロは換金禁止になる」という噂が飛び回りました。
「換金禁止」が注目キーワード等にもなったので、目にした人も多いと思います。
今回はこの問題について考えてみます。

まず、菅官房長官の実際の発言を見てみましょう。

「今まで日本はギャンブル依存症対策を全くしてなかった。今回を機に作らせて頂いた。
競馬・競輪、同居する家族が反対すればネットで買えなくなる。
そういう対応策とか、パチンコは２３兆円ですよ？ギャンブル性を無い様な形にする」

ん？
換金禁止とは言っていないのがわかりますね。
ここで問題となる点は３つ。

・パチンコ業界の売上げを23兆円としている点
・パチンコのギャンブル性を無い様な形にすると明言している点
・パチンコをギャンブルであると認めた点

このうち23兆円に関しては簡単に否定できます。
パチンコ業界が発表している23兆円という額は、あくまでもお客がいくら入れたかで計算されているからです。
例えば、1000円で大当たりを引き、11000円勝ったとします。
普通に考えれば、店の売り上げはマイナス10000円です。
しかし、この計算では1000円だけを加算しています。
つまり、店が10000円負けていても、売り上げは1000円とされているわけです。
（これは法律上は換金できないという理由からです）

一方でカジノの売り上げはあくまでも「最後にいくら残ったか」てす。
さっきの例で言えば、売り上げはマイナス10000円とカウントされます。

これを比較すること自体、かなりおかしなことなのです。
では、実際の粗利益で見たらどうなのでしょうか。
ラスベガスは年間1兆円、マカオは3兆円、パチンコ業界は3兆円。
ま、カジノと同レベルってことは問題かもしれませんが、23兆円と比べれたら実態はこんなものです。

次に「ギャンブル性を無くす」という点を考えてみましょう。
多くの人はこの部分に注目して「換金禁止」と捉えたようですが、違います。
そもそもパチンコ（スロット）の換金は認められていないからです。
パチンコで勝つと必ず変な金の入った箱のような景品と交換させられます。
客はそれをパチンコ店とは関係ない（とされている）交換所で現金に交換します。
いわゆる三店方式というやつです。

この問題は簡単には解決できません。
というのもパチンコ店を管轄しているのが警察庁であり、警察庁のOBはパチンコ関係の業界に大量に天下りしているからです。
言ってみれば、パチンコ店の利益というのは警察が公然と黙認している利益。
これにメスをいれることはさすがの安倍政権でもできっこありません。

なので、ここの部分に関しては「より規制を強くしてあまり玉が出ない機種に変更させる」ぐらいに考えるのが妥当でしょう。
もしくは換金率に関して何らかの規制が入る可能性はあります（実際、都内など一部の地域ではすでに等価交換が禁止されています）。
でも、それぐらい。パチンコ・パチスロの換金が禁止されるまでには至りません。

どうです？　ほっとしました？
でも、じつは一番やっかいな問題が残っています。
それが三番目に挙げられた、

・パチンコをギャンブルであると認めた点

です。
国はこれまでパチンコをギャンブルではないと言い張ってきました。
それが一転、ギャンブルであるとはっきり認めたのです。
この事実はかなり問題です。

まず、ギャンブル依存症対策にパチンコが含まれるようになるでしょう。
さらに、パチンコ店を一括管理して国営に移すという流れも出てくるかもしれません。
もし、そんなことにでもなれば現在あるパチンコ店はすべて裏もの扱い。違法店になってしまいます。

（ここからはもっと個人的な意見として）
いずれにせよ、国がギャンブルに対して厳しくいくぞという姿勢を示したことは見逃せません。
いきなり大本命のパチンコに何かしらするとは思えませんが、それ以外のギャンブルに関してはかなり厳しくなるでしょう。
オンラインカジノも例外ではありません。
むしろ、業界が小さく、狙いやすいオンラインカジノは格好の餌食になる可能性があります。
見せしめという面から、勝利プレイヤーを逮捕するということだって、十分にあり得ます。
（来年、元号が変わることを考えたら、今年中に何らかの動きがありそうに思えます）

オンラインカジノはもともと日本ではグレーゾーンな存在です。
みなさん、十分にご注意ください。
少なくとも、SNSなどに「どこどこのカジノで〇〇〇円の大勝利！」などと書くのは論外です。
大きく勝っても決して騒いだりしないように。

どうぞ、お気を付けください。