いまさら聞けないカジノ用語19「カジノ法案」

国会

国会での議論の真っ最中ですので、今回は話題にも挙がっている「カジノ法案」を取り上げてみたいと思います。

この法案に関しては名前ばかりが先行して、じつは中身はよくわからないという人も多いのではないでしょうか。かくいう私も本当のところはよくわかっていません。で、ちょっとばかり勉強してみました。

カジノ法案と呼ばれる法律の正式名称は「IR推進法」。
カジノを含む統合型リゾート(IR)をどんどん作っていきましょう、という法律でこれはすでに可決されています。
なら、なんですぐにカジノができないのかというと、この法律だけでは不十分だからです。

実際にカジノを作るためには「IR実施法案」という別の法律が必要になります。
これが現在、国会で議論されているもので、野党だけでなく公明党も慎重な姿勢でいるため、なかなか進みません。

さらに、カジノ設立の条件ともなる「ギャンブル依存症対策基本法案」というものがあります。
国会内では「IR実施法案」よりもまずこちらを先に成立させなければならないという意見もあり、これまた揉めています。

では、成立したらどうなるのか。
まず、国がIR区域の選定を行います。
実施法案はまだ成立していませんが、認定区域に立候補しているところはすでにあり、早くも競争が過熱しているようです。現在のところ、北海道、千葉、東京、神奈川、大阪、和歌山、長崎の7都道府県が有力候補と言われています。

次に選定された区域がIR事業者の選定に入ります。
カジノだけではなく、ほかのリゾート施設も含んだ事業のため、大規模になり、この選定にもかなり時間がかかると思われます。

そこから土地を整備し、施設を作り、運営をはじめ…となるわけです。
長い道のりです。早くても2022年ごろまではカジノは完成しないでしょう。

では、ここまでのことを一覧にしてまとめてみます。

1.IR推進法(すでに成立済み)

2.IR実施法(現在審議中)

3.ギャンブル依存症対策基本法(現在審議中)

4.国がIR区域の選定(2、3の区域が選ばれる予定)

5.自治体によるIR事業者の選定(公募)

6.カジノ他施設工事に着工

7.完成、カジノ施設運営開始

いやあ、長い。
まだまだ先の予感がぷんぷんします。
少なくとも当初言ってた東京オリンピックには間に合わないこと確実です。

でもって、この法案がのちのちオンラインカジノにどう絡んでくるのか。
これまた今の時点ではまったく不明。
とりあえず、いまやっている国会の成り行きには注目かもしれません。